外壁塗装色の選び方

色見本について

外壁塗装で色を選ぶ際、次の2種類の色見本があります。

メーカーカタログの色見本

塗料メーカーのカタログにデザインされている色は住宅の配色に適された色彩が選ばれます。

カタログの色見本では小さすぎてわからないという方へ
A4サイズの塗板を用意してあります。

日塗工の色見本帳

日本塗装工業会(日塗工)の色見本帳(632色)があります。
同一色相でのトーンを利用した配色、あるいは違う色相でのトーンを利用した配色選びに便利です。

トーンとは?

色の三属性の内、明度(明るさ)と彩度(あざやかさ)の2つの属性をまとめて、形容詞で表現したものをトーン(色調)といいます。

色相が異なってもトーンを同じにすれば、共通した印象を作ることが出来ます。


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メーカー標準色と日塗工カラーの違い

メーカーカタログに載っているカラーは比較的、地味な色が多いです。
これはメーカー側が塗膜性能維持を第一に考えているので調色基本顔料投入が制限されているからです。
そしてそのカラーは最初から外壁なり屋根なりの建築物に塗る意匠前提で提示されています。
逆に日塗工カラーはあくまで原色顔料投入量の理論値で並ぶカラーですので、必ずしも建築物に合うカラーばかりではありません。
ある程度、色に対する見識と経験が必要です。
個人の好き嫌いもありますが、比較的万人受けする無難なカラーはメーカー提示色に多いのが特徴です。

色選びのポイントは?

1.配色は3色くらいに!

あまり多くの色を使うと全体の統一感が損なわれます。

2.同系色の濃淡でまとめる!

全体の統一感がでて、すっきりとした感じになります。

3.トーンを同じにする!

違った色(例えば赤と青)でもトーンを同じにすれば、色の調子としては共通のイメージになります。

4.色見本は昼間、明るい所で!

暗い所や日陰では色が濃く見え、照明の下では違った感じに見えます。

5.小さなサンプルほど色が濃く感じる!

実際に外壁に塗装してみると、カタログの小さなものより明るく(薄く)感じます。

6.外壁の凸凹でも濃淡が違って見える!

フラットな面の方が明るい感じになります。

7.カラーシミュレーションはイメージだけ!

カラーシミュレーションはあくまでこんなイメージになるというだけで、実際に塗装した物と比べると違った感じになる場合があるので、気を付けてください。

配色の基本

現実において、色は単独そのもので感じることはありません。
必ず複数の色との組み合わせ、あるいは背景色の中にあってこそ感じるものです。
色彩の調和とは、色と色の組み合わせが美しいと感じる状態にあることです。
その法則性や秩序を考えて配色することが大事です。

色の見え方の現象

背景色がテスト色(主体の物の色)に影響を及ぼす現象を、対比といいます。

同時に、背景色とテスト色を見たときに起こる対比の現象(同時対比)は、三属性の違いにより分類されます。これらの現象が起こることも考慮にいれて配色を施す必要があります。


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配色の構成要素

1.基調色 ベースカラー

配色構成要素の中で、最も大きな面積を占める色です。地色や背景色となる場合が多いです。全体の配色の中で、最も抑えた色味の場合が多くなります。


2.主調色 ドミナントカラー

配色構成要素の中で、最も出現頻度の高い、あるいは大きな面積を占める色です。全体の色調に影響を与えるのはこの主調色です。


3.強調色 アクセントカラー

配色構成要素の中で、最も小さい面積でありながら目立つポイントの色です。全体の色調を引き締めたり、視点を集中させる効果を持ちます。


4.従属色 アソートカラー

主調色に次いで面積が大きく、出現頻度も高い色で、通常主調色を補佐する役割を持ちます。サボーディネートカラーともいいます。


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色相から考える配色

色相から考えていく配色には、類似系の配色対照系の配色があります。

色相類似の配色

同じ色相、あるいは近寄った色相の色同士で 明度、または彩度で変化をつけて配色します。調和が取りやすい配色です。同系色濃淡配色といわれます。


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色相類似で配色する場合、合わせる色の色相は、基調となる色からみて同一色相や類似色相の同系色から選びます。配色用語では、「トーン・オン・トーン(tone on tone)配色」ともいい、色みで統一を図りトーンで変化をつける配色です。
配色全体を共通の色味にした多色配色にしたものはトーン・オン・トーンを多色使いしたものと考えられ、全体を一つの色みに整える「ドミナント・カラー(dominant color)配色」と呼ぶ配色もあります。
普段から見慣れている自然界の配色に多くみられ(ナチュラル・ハーモニー)、安心感に繋がることから様々なものに応用されています。

色相対照の配色

基調の色と合わせる色の色相差を大きくとると 対立的なイメージの組み合わせになります。


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色相対照の配色の中でも、色相環の両端に位置する いわゆる補色の関係にある2色の配色を「2色調和(ダイアッド dyads)」と呼びます。
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また、色相環を3等分しそれら3色を結ぶ線が正三角形になるもの位置の3色の配色を「3色調和(トライアッド triads)」と呼びます。
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明度から考える配色

明度差は 色の見分けに深く関係します。明度は大きく分けて、

高明度 … マンセル明度で明度7以上
中明度 … マンセル明度で明度4以上7未満
低明度 … マンセル明度で明度4未満

に分けられます。

明度類似の配色

明度が同じか明度差1.5程度までの色同士の配色をいいます。色の境界があいまいになりそれぞれの色が見分けにくくなるので、一般にはあまり用いられないケースが多いでしょう。


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明度差の小さい配色の場合、色同士を明瞭に見せる方法として、色の境界線に無彩色や金属色など、色相対照の配色となる色を挟み込み、色を分ける方法をとります。
これをセパレーションといいます。
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明度対照の配色

明度差が大きくなるほど 色同士の境が明瞭になりそれぞれの色同士が映えます。視認性が高い配色なので、交通標識などのサイン類に使用されます。
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彩度から考える配色

彩度は大きく分けて、

高彩度 … マンセル彩度で彩度7以上
中彩度 … マンセル彩度で彩度3以上7未満
低彩度 … マンセル彩度で彩度3未満

に分けられます。

彩度類似の配色

同一彩度の配色では、明度差を適度につけると、統一感のある配色になります。彩度差が小さいため、トーンが持つイメージや心理効果を表現するのに適しています。


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彩度対照の配色

彩度の差が大きい配色です。一般的には、灰色などの低彩度色や無彩色に高彩度色を組み合わせたものが多くなります。明快で調和しやすい配色となります。
どちらかの色をアクセントカラーとして用いる手法もとられます。
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トーンから考える配色

その他、配色の手法としてトーンの類似、あるいは対照の色合いによる組み合わせもありますが、実際には、彩度差、あるいは明度差の比較事例と似通ったものになりますので、ここではサンプル掲載を割愛します。