遮熱塗料と断熱塗料

遮熱塗料・断熱塗料について

屋根表面の温度を下げる事により室内に影響する熱源を少なくし、夏場の冷房代の節約(節電)することにより全体の発電量をおさえ(CO2削減)、結果として地球温暖化・ヒートアイランド対策(環境負荷低減)に貢献できる、とされる塗料として、近年では屋根塗装に遮熱塗料や断熱塗料が使われることが非常に多くなっています。

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室内温度上昇の原因

室内温度を上げる主な原因は
  • ・太陽光
  • ・外気温
  • ・その他
太陽の光エネルギーは、約50%が赤外線、約47%が可視光、残りの3%は紫外線から成り立ち、この中で赤外線が熱を持ったエネルギーから光エネルギーを受ける割合が多く(赤外線や紫外線が増加)、高度が低い冬場は光エネルギーを受ける割合が少なく(赤外線や紫外線が減少)なります。

断熱塗料とは

遮熱塗料が熱の原因となる赤外線を反射することにより、表面に受ける赤外線量を減少させ、表面温度の上昇を妨げることが目的の塗料であるのに対し、一方の断熱塗料は、そのような遮熱塗料が持っている特徴は無く、熱を断つ(遮断する)ことが出来る特徴を持った塗料です。

塗膜表面の温度は時間が経過するにつれ、内部に進行していきます。
この進行する熱を、遮断することが出来る塗料が断熱塗料です。
通常の塗料(塗膜)の場合では、すぐに熱が内部に伝わってしまうことになりますが、この断熱塗料の場合は、ある程度、熱が内部に伝わる時間を遅らせることが出来る事となり、内部の温度上昇に対する時間を抑え、結果的に内部の温度上昇を抑えることが出来ます。

ただし、塗料の場合の断熱という意味合いは、一般的な断熱材での考え方とは異なる側面があります。
通常の断熱材は熱エネルギーが通過しにくい素材をその素材の厚みによって、進行する時間を遅くします。
従いまして、グラスウール(熱エネルギーが通過しにくい素材)を50mmの厚さで設置することで断熱性能を持たせたり、また、厚みを50mmから100mmに変更したりしてその性能を高めたりします。

一方、断熱塗料の場合は、熱エネルギーが通過しにくい素材の塗料で塗装を行ったとしても、必要となる厚みが十分に取ることが出来ません。
塗膜自体の厚みは通常50μ程度。
仮に厚みがあったとしても1~2mm程度しかありませんので、通常の断熱材と比べますと、全く比較にならないほど薄いものです。

断熱性能だけ比べるとするならば、一般的な断熱材のほうがはるかに性能は良いといえます。
従いまして、塗料の場合は断熱塗料のみで使用するとそれほど断熱性能は上がりませんので、ほとんどの場合、遮熱塗料と組み合わせて使用することが多いようです。
遮熱塗料によって、表面の温度上昇を食い止め、その表面温度の内部への進行を断熱塗料によってある程度防ぐことが一般な断熱塗料の使い方になります。 塗料によっては、内部に進行している熱エネルギーを、塗膜内部の素材により熱エネルギーの反射作用を働かせて、さらに進行を遅らせている塗料などもあります。
遮熱塗料の製品の豊富さに比べますと、断熱塗料で上市されている塗料の数は非常に少ないです。

遮熱塗料・断熱塗料により期待できる効果と建物構造

遮熱塗料・断熱塗料どちらも、室内温度の上昇を防ぐ目的で使用されますが、ここで一番重要なことは、どのような構造の建物でも一定して同じ効果は得られないということです。
建物の用途や構造により、既存の断熱設備がどれくらいあるかによって全く違った結果になります。
一番効果が出やすいと言われている建物は倉庫や工場(例外もあり)になりまして、これらの建物の場合は、ほとんど断熱材などの断熱層がない場合が非常に多いため、比較的一番効果が出やすく、また、節電効果も期待出来ると言われております。

一般的に遮熱・断熱カタログの中で、製品の比較のために紹介されている写真やグラフなども、このような理由から倉庫や工場、またはプレハブなどで実験した結果やサーモグラフィーなどを載せていることが多いです。

※すでに十分な断熱対策が施されている戸建住宅など居住を目的とした建物は、遮熱塗料・断熱塗料の恩恵を受けにくい傾向にあります。

外壁用遮熱塗料

外壁遮熱のクールテクト工法


外壁遮熱のSamples&Colours

屋根用遮熱塗料

屋根遮熱の特長


屋根遮熱の明度と日茶反射率の関係/省エネ効果のシミュレーション


屋根遮熱の工場・倉庫向け標準色


屋根遮熱の戸建て住宅向け標準色

塗料紹介

遮熱塗料 サーモアイ 日本ペイント株式会社

ポイント

  • サーモアイシリーズでは、反射率を向上させるため、下塗りにも高い反射性能をプラスしました。上塗りと下塗りの塗膜全体で遮熱効果を発揮します。また上塗りには「赤外線透過混色」技術を採用。上塗り層で反射できない赤外線をなるべく吸収させずに透過させることで、下塗りの反射性能を最大限に発揮します。
  • サーモアイシリーズでは、耐久性の異なる上塗り塗料、サーモアイ4F・サーモアイSi・サーモアイUV、サーモアイ1液Si・サーモアイ水性Si・下塗りにもスレート屋根用のサーモアイシーラー、金属屋根用のサーモアイプライマーとニーズに合わせて幅広い商品をご用意しています。
  • サーモアイシリーズは、屋根部分はもちろん家まわりのさまざまな場所に塗ることができます。例えば、玄関先に塗装すればペットや観葉植物にも安心。屋上のコンクリートテラスに塗れば、小さなお子様も裸足で遊んでいただくことができます。

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価格目安
SI(シリコン) m² / 2,500円〜
4F(4フッ化フッ素) m² / 3,700円〜

※4Fは一般的なフッ素より汚れにくいグレードです。

遮熱塗料 クールタイト エスケー化研株式会社

ポイント

  • 太陽光線の中で、放射熱エネルギーの強い近赤外領域を反射し、優れた遮熱性能を実現します。
  • 低汚染機能を発揮し、汚れの付着による遮熱効果の低下を防ぎ、長期に亘って高い遮熱性を維持します。
  • 架橋構造を持つ塗膜は、強靭で、優れた耐薬品性・耐候性・耐久性を示します。
  • 防かび、防藻性に優れています。

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価格目安
SI(シリコン) m² / 2,500円〜
F(フッ素) m² / 3,500円〜

遮断熱塗料 ガイナ 株式会社日進産業

ポイント

  • 寒さ対策→室内空気温度がいくら高くなっても、壁・天井の温度が低ければ、熱は壁・天井から逃げます。ガイナを施工すると、周辺の温度に適応し、熱の移動を最小限に抑えます。
  • 暑さ対策→ガイナの球体セラミックによって、太陽光に含まれる赤外線を反射します。また、ガイナ表面温度が周辺の温度に適応し、熱の移動を最小限に抑えます。
  • 騒音対策→ガイナと膜面は、大量のセラミックで隙間なく覆われているため、効率よく音を反射するだけでなく、制振効果によって音を軽減します。
  • 臭い対策→ガイナは帯電性0.0の性質を持っており、汚濁物質が付着しにくく、さらにイオン化した水分が、浮遊している汚濁物質と結合をし、汚濁物質を浮遊しにくくなります。

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価格目安
4,000円〜4,500円